イタリアの寿司屋潜入レポート

イタリアのお寿司屋さんでパート始めました。日々の様子や気づいたことを綴っていきます。

15日目 Sushi屋で中華ダイエット

あまり体重を意識して生活していない。

 

 

しかし、私はリミットを決めている。

 

157cmの私が理想としている体重は「48kg」。

 

3年前にヴァカンスでモンブランの麓へ行った時、

連日 山登りを満喫したため体重が一気に減った。

その夏はしばらく48kgを維持し身軽さを感じていた。

 

いつしかそんな体重はあっというまに大台を越えた。

 

 

そして、私が設けているリミットは「55kg」。

 

これを越えてはいけない。

越えたら一巻の終わりという緊張感を持たせている。

越えるわけにはいかない。

 

 

そんな私の現在の体重はギリギリをさまよっている。

53kg。ビミョー。 

 

リミットに近づきすぎると、夜のみプチ断食。

運動はせずに、食べる量だけ抑える。

すると2日でグンと下がる。

とはいうものの、毎日続けるほどストイックではない。

だから、また繰り返す…

 

54kgなんて数字を見た日にゃ、

外へ走りに行く。続かないの分かっていても

じっとしていられず運動せずにはいられなくなる。

 

いつも体重を気にしているかというと、実は、我が家に体重計はない。

義母の家に行った時に計るため週一日くらいだろう。

なのであまりシビアではなくゆるく気をつけている。

 

 

Sushi屋のまかないは中華

仕事を開始するのが19時。

いつも15分前に入る。

作務衣のような浴衣を着て、身なりを整えたら

一角のテーブルにおかずが3つ並ぶ。

 

オーナーは必ず仕事開始前に、

「Mangia! Mangia!」食べて!食べて!と言ってくる。

 

働き始めた頃は、緊張のあまり食欲がなかった。

それより覚えることと気持ちを落ち着かせることに集中していた。

働きだして10日も経った頃、食べないと体力が消耗され

すぐにヘタることに気がついた。

 

そして、仲間たちと食事を供にするようになった。

 

 

 

外国にある多くのSushi屋は中国の方々が経営している。

だから、自然とまかないは中華になる。

 

 

これがたまらなくウマし!

 

  ◎ 大根の葉と豚バラの炒め物

  ◎ イカの炒め物

  ◎ ジャガイモと豚バラの炒め物

 

 

まかないを仕込むのは鉄板担当の料理人。

さすが火加減や味付けは上手い。

 

 

 

普段、夜に炭水化物を摂らない生活をしているが、

働くとなればエネルギーも必要になるため

握りこぶしくらいの量の白米をお皿によそい、

三品のおかずを少しずつ乗せる。

 

自分では作らない夕飯がここにある。

 

 

 

しかし、お気づきの通り、豚バラ料理が二品ある。

中華味ということは、油も味もしっかり。

ガツンとこってりはご飯がすすんでしまう。。。

 

いかん。いかん。

働きながら太るだなんて ありえない。

 

 

翌日から、この白米の横にサラダを盛り、味噌汁もつけた。

これでなんとかバランスのいい食事に近づけたのではないだろうか。

気持ちの問題かもしれないが。

 

 

 

すると、このまかないが楽しみで早く出勤するようになった。

着替えてからテーブル周りのチェックを行っていると

「Mangia! Mangia!」と声がかかる。

この誘いに、

『さぁ、今日も ”食べるぞー!”』 と意気込む。

 

 

10日目 "っぽい" ものと"ホンモノ"

 

イタリアに限らず、外国のSushi屋や日本料理屋は

「っぽい」ものがある。

 

中国の方々が展開するSushiは似ていても実際に違うものがある。

また、外国で好まれる味として独自に発展し、

寿司ではなくSushiとして親しまれているものもある。

 

 

その代表格が「カリフォルニアロール」だろ。

 

 

もちろん私の働くSushi屋にもある。

具は、カニかまアボカドこれらを「裏巻き」という

海苔の外側にご飯がくるタイプで出している。

 

お客さんによっては、カニかまをサーモンにしたり、

アボカドをクリームチーズにしてほしいなど要望してくる。

結局、何を巻いてもいいのかしら?

 

 

そもそも「カリフォルニアロール」って何だろうという疑問が湧く。

アボカド、レタスかにかまなどを、海苔(のり)を内側にして巻いたすし刺身や海苔に慣れない米国人のために考案されたといわれる。カリフォルニア巻き。

                                 コトバングより

 

なるほど。

1960年代に誕生したものらしい。

世界中で親しまれる理由が分かる。

生魚を食べない人も一緒にSushiを味わうための一品か。

 

 

再び、私の通うSushi屋に目を向けてみると、

メニューにそれぞれ記号が描かれている。

青だと生魚赤だと火を入れたものを指す

そして Vは野菜のみと表記してある。

 

つまり、

マグロやサーモンは

ツナマヨやうなぎは

握りアボカドやカッパ巻きは

 

一目で調理法が分かるので重宝すると思う。

しかし、これまで料理を運びながら見ていると、

生魚を食べられない、食べたくない人はあまり会わない。

そもそもSushiを食べに来ないのでないだろうか。

 

よって、カリフォルニアロールを食べる人は、

ヴィーガンとは限らず、生魚が苦手とも言えない。

むしろ、イタリアにはない新しいSushiという文化を

味わっているように見える。

 

 

 

見つけたホンモノ

 

 

Sushi屋で必ず頼む料理がある。

 

それは「味噌汁」。

 

 

これまで欧米のSushi屋を訪れたが、

怪しい味噌汁ばかりだった。

 

豆腐がスカスカ、ダシの香りがしない、

明らかなインスタントといった具合。

日本人に合わせられた味ではなく、

外国の人たちでも味わえるスープになっている。

 

だから、日本人には物足りなく、ペッとしたくなるものも。

 

 

 

 

この店の良いところ2点

私はこの店で働く前から客として利用していた。

頻繁ではないが、夕飯を作りたくない時など

近所とあって、ふらりと立ち寄ることがほとんど。

このSushi屋を選ぶ理由は

 

1点目は、

オーナー奥さんが優しい。

いつも笑顔で迎えてくれる。街で会えば軽く挨拶するほど。

 

2点目は、

なんと言っても「味噌汁が美味しい!

今まで外国でこれほどおいしい味噌汁に出会えたことはない。

唯一、近所にある美味しいお店で働けていることに嬉しく思う。

多くのイタリア人にSushi屋のことを聞かれるが、胸を張って

「日本人の私がおいしいと思う!」ということを伝えている。

合わせ味噌のような中間色で何にでもあうタイプ。

 

 

味噌汁の現場

働いてみると、少し見えてきた。

厨房には、味噌汁用の電気調理機がある。

 

沸かすことと保温を兼ねた大きな電気鍋。

炊飯器の鍋バージョンと言える。

 

注文が入ると、この鍋を開けてお椀に注ぐ。

この鍋には具がない!

 

味噌汁の汁だけが温められている。

具はというと、横にあった。

 

「わかめ」と「豆腐」と「ネギ」

 

定番の具材だ。

 

ワカメは乾燥のため、タッパーに少量だけ入れられている。

豆腐はさいの目にカットしてあるものが、

これまた水を張ったタッパーに準備してある。

その横に刻んだネギ。

 

つまり、注文を受けてから、

ワカメ、豆腐と汁をお椀に注ぎネギをかける。

 

いつも湧かしっぱなしにならないこと、

古いワカメが泳がないこと、

豆腐が型くずれしないためにこのようにしているのだ。

 

いちいち注文を受けてから準備するのは面倒だけれども、

こうすることで煮すぎない味噌汁ができる。

 

 

ここまで書くと、きちんとしているように感じるが、

肝心なのは、具ではなく、

ダシ

 

私は、香川県で育った。

うどんのダシはいりこや鰹節を効かせたものが好きで、

結構ダシにはこだわりがある。

イタリアに来てから、初めてひとり暮らしをした時も

だしの素を使わないように料理をしていた。

どうしても添加物が気になって遠ざけていた。

 

 

味噌汁を左右させるダシ。

彼らはどのように取っているのか・・・。

 

実は、そこまではまだ探れていない。

しかし、味噌汁が少なくなると、

どこからかダシを持ってきているのは知っている。

そして、味噌が冷蔵庫にあることは確認済み。

これからさらなる調査を進めて行く。

 

 

要するに、このお店で作る味噌汁は、

インスタントでもなく、ニセモノでもない

ホンモノの家庭料理に近い味と言える。

 

 

少し味噌汁のことを知った時に、

自分の舌が間違っていなかったとわかり嬉しくなった。

と同時に、オーナーがウソの料理ではなく、

ちゃんとした日本食を提供するという

正直な誠意が現れているように感じられた。

ますます、この店で働く意欲が湧いてきた。

 

 

 

 

ついにやってきた休日

 

週に6日勤務。3人のホール担当者と順に休みを取っていく。

ついにやってきた私の休日は、「水曜日」。

はたらきだして6日目のこと。

 

 

私は、社会人になってから、

食後の時間をテレビを見て一日を終えることが苦手。

ただボーっと見ていて何も得ないことが堪え難い。

だから、何か予定を入れたくなる。

時計の針がてっぺんに差し掛かる前に仕事を終える生活。

早く帰宅する時は、友だちと飲みに行ったり、カフェでしゃべったり、

温泉へ行くなど何かしらしている。

また、一人で居るときは、家に帰ってまで仕事をしていた。

それほど仕事にやりがいがあった。

 

 

イタリアに来て、結婚してからというと、

映画を見る機会が増えた。

イタリアの娯楽と言えば映画?というほど良く見る。

映画館もあれば、テレビやネットで最新のものをチェックする。

カラオケがあれば行っているだろう。

ボウリングは週末に友だちと行くものだという感覚がある。

 

食後に1時間でも勉強したいなぁと思うが、眠気がすぐに襲ってくる。

映画をボーッと見ることの方が脳がリラックスして眠りにつけるのは確か。

 

 

休日=白い日

 

私はカレンダーが黒い方が燃えるタイプ。

つまり、予定がアレコレと黒く埋まっている方が安心する。

空白だと、何か書きたくなる。

 

イタリアでの生活はほぼ空白で、カレンダーに書く必要もない、

やらなければいけないことと、やりたいことを日々繰り返してきた。

日中は家事とパソコンに向う時間なので上半分は白。

働き始めると、毎日カレンダーは仕事仕事仕事で半分が黒くなる。

 

 

そして、ついにやってきた全白の日。

 

前日の火曜日の夜は、来客も少なく適度な疲労感でルンルンと家に帰った。

とはいえ翌日は早朝に起きて夫を見送る。

さて、それからだ。どのように時間を使おうか。

 

朝からウォーキングに行こうかな。早めにスーパーへ行こうかな。

早めに家事を済ませて図書館へ行こうかな。などと妄想は進む。

 

 

 

翌朝

 

 

 

雨。そして寒い。

 

 

 

一気にヤル気を失った。

あまりの寒さにベッドへ戻ってしまった。

 

 

・・・

気づいた時には、あっという間にお昼前。

始まったばかりの仕事に緊張が重なり疲れていたのだろう。

ササッと家事を済ませ、夫の帰りを待った。

 

その後、スーパーで買い物をし帰宅。

そのまま夕飯の支度、食事、寝る準備とつづき、

翌日に備え早めに寝る…。

といういう一日。

 

チーーーン

 

 

これがわたしの休日

 

コレといって、特別でもなんでもない日。

何となく一日がムダに終わったような気持ちになり

罪悪感まで残る。なんだかな。

 

こんな日を過ごすなら、まだ働いていた方がいい。

決断や行動力のなさが表れて嫌気がさす。

 

メリハリって大事。一日の計画を立てることも大事。

なんでもっと有意義な時間を過ごせないものかな。。。

 

 

けど、「休養することも重要だよ」と誰かに言ってもらいたい気持ちもある。

コレだ。

 

一番の落ち着きどころはココ。

そんな日があってもムダではないとういこと。

美味しいもの食べて、ゆっくり休んで明日のエネルギーにすること。

健康が一番!

よし!明日からも頑張ろう!!

 

と言い聞かせて寝たわたしの休日。

 

 

 

5日目 国によって違う注文の仕方

イタリアのSushi屋で働き出して2日が過ぎた。

 

普段、家事の傍らでちょこっとライターをしてきた私には、

4時間の立ちっぱなしや動きっぱなしは久しぶりの運動で、

筋肉痛が始まった。

すねのあたりの筋や足の裏が凝っている。

お風呂があれば浸かるのに、シャワー生活だから、

足を上にしてたまった血液を循環させた。

それでも治らず、ネットで検索すると、

ふくらはぎのマッサージがあり、かなり楽になった。

 

 

 

初めて注文を受ける

私は、大の臆病者。

常に、失敗したらどうしようという不安と共にいる。

しかし、いざ覚悟を決めるとドーンとするのだが、

それまでに時間がかかることがある。

 

 

土曜日は、賑わう日と言われていたが、

寒波と雨で客足が遠のいたらしい。

嬉しいような悲しいような。

 

 

でもバタバタせずに適度な人数だったので、

テーブルへ注文を受ける練習をした。

 

ルーマニアの女の子が私を連れてお客さんの前に着くと、

「この子新人さんなの!みんな番号でメニューを言ってくれる?」と、

かわいくお願いしている。

若い女性の3人組のグループは「頑張れー!イケー!」と応援してくれた。

常連さんなんだろう。受け入れてくれたことと励ましに背中を押された。

そこで、私は「こんばんは〜」といいながら伝票を準備し、

今からやってくる番号に身を構える。

 

 

伝票には、テーブル番号と人数をまず書き、

そして、メニュー番号を記していく。

 

 

 

っと、その前に、イタリアの食文化について触れておこう。

イタリアでは、一般的に料理はコースで食べる。

レストランや家族が集まる食事会や祝い事などゆったりと何時間もかけて

食事をする習慣がある。マンマが丹誠込めて作った料理を

舌鼓を打ちながらワイワイと食べる時間が豊かなひとときとなる。

 

食事の流れは、

アンティパスト(前菜):生ハムやチーズ、ブルスケッタ、スープなど
プリモ(第一のお皿):パスタやリゾットなど
セコンド(第二のお皿):お肉や魚料理

  +

コントルノ(付け合わせ):サラダ、野菜のグリルやフライドポテトなど
ドルチェ、カフェ

 

このような流れになる。

一皿ずつみんな一緒に食べ進めていく。

お皿もその都度変え、熱々の料理を食べることに幸福感がある。

 

 

・・・という風な習慣がある中で、

話をSushi屋の注文に戻そう。

 

 

注文を受ける際、

🇨🇳中国のように、料理を一挙にテーブルに並べるのか、

🇯🇵日本のように、前菜やメインを食べてSushiにするのか、

🇮🇹イタリア流に、前菜、Sushi、焼き魚という風に続くのか。

これらを確認する必要がある。

 

尋ねたら、これらを番号で書いていく。

前菜となる番号は左端、Sushiは中央、揚げ物は下段にと、

料理場所によって、書く場所を分ける必要がある。

Sushiを握っているのはカウンター、

鉄板は突き当たり、揚げ物は奥の厨房となっているからだ。

 

場所別に番号を書いていっても、

料理を出す順番によってさらに書き方が変わる。

一挙に出すなら、全て同じ場所に書く。

時間差をつけるなら、ラインを引いてその下に番号を書く。

 

たったこれだけだから、

考えてみると簡単だが、いざお客さんの前で

緊張した状態で書くとなるとちょっと焦る。

 

 

さらに、

料理の中身を変更してほしいと言う人もよくいる。

例えば、刺身を全てサーモンにしてほしい。だとか、

細巻きを握りに変えてほしい。エビは使わないでなど、

それぞれを聞いて変更点を記さなければならない。

 

しかし、

料理を作る中国の人たちはイタリア語を話さないので、

基本的に数字だけのコミュニケーションとなってくる。

料理の内容を変更するときは、

小さなサインが決まっている。

例えば、

焼きサーモンとフィラデルフィアの裏巻きを、

生のサーモンにしたい時に「※」を番号の横に記す。

アボカドとサーモンの細巻きで、アボカドをのけるなら、

No 10と書く。10番はアボカドの細巻きを表していて、

そこから10を除くという意味になる。

なんだか遠回りだが、これで円滑に回っている。

 

 

 

初注文は成功か失敗か

で、初めてとなる、イタリア人3人組のグループの注文は、

前菜とSushiをほぼ同時に、焼き魚や天ぷらは後から持ってきて

ということでラインを引いた。

 

案外簡単に注文を終え、ルンルン気分で番号を料理人たちに伝えた。

 

 

そしてすぐに、白ワインを頼まれていたので、テーブルへ持って行く。

この時、ボトルはテーブルで開けなければならない。

普段、あまりワインを飲まない私は、ボトルを開けることがあまりない。

開け方は知っているが、おぼつかない所作だ。

ルーマニアの子に「ボトル開けれる?」と聞かれ「はい!」と答えるも不安。

できるかな??なんて思いがボトルに表れたのか。。。

やってしまった・・・。

 

 

コルクが途中で切れた!

 

 

始めのスパイラル部分を斜めに刺してしまったらしい。

ヤバいヤバいと焦っていると、

イタリア人3人組グループの一人が、

「私がやってあげるから、あなたは私をカバーして、

みんなに見えないようにして!」と。

ボトルを渡すとサッと切れたコルクを取り除いてくれた。

そしてワインオープナーだけ渡されて、

「この折れたコルクは私が持って帰るから!」と言ってくれた。

 

 

証拠隠滅

 

 

あまりのお姉さんの手際の良さや、

頭の回転の速さにポカーンとなった。

なるほど!先まで読んだんだ!

ありがたや。ありがたや。

まぁ、これが見つかっても怒られることはないけれど、

良いようには見られないかッ。

ありがとうお姉さんたち♡

 

こうやって、

また夜を無事に乗りこえることができた。

 

 

初日はまんずまんず

 

7時前に到着し、軽く挨拶したところで、

ホールで働くルーマニアの2人の女の子が

私を招いて教えてくれた。

 

ユニフォームは、作務衣の上着とエプロンを与えられた。

ピンクの浴衣のような柄に、洗濯しっぱなしのシワシワで

かなり抵抗があったけれど、郷に入っては…と着た。

 

 

覚えなければならない数字の嵐

 
テーブル席

まず、テーブル席の番号を覚える。

フロアのテーブル0〜1ABC、2ABC、3ABC...

上の段のテーブル席、広めの席、掘りごたつ席、個室。

全27テーブル150席ある広いお店。

書いてあるわけでもなく、ひたすら記憶するのみ。

 

 

メニュー番号

そして、多くのSushi屋のメニューは数字で表記されてる。

例えば、

「とりあえず」と言われる、枝豆や豆腐、サラダは1〜8

「Sushi」は、握り、細巻き、裏巻き、刺身、盛り合わせなど10〜39

「鉄板焼き」は、焼き飯、焼きそば、魚介のグリル40〜79

「天ぷら」80〜、「ドルチェ」90〜、というように

100品すべて番号を当てられている。

そこに、お酒やジュースが加わる。

 

テーブルで注文を受ける際、各々に料理名を言う。

しかし、それらを全て番号に置き換えて伝票に書かなければならない。

鉄火巻きなら11番、焼うどんなら47番、野菜天ぷら80番と。

料理を聞いて即座に番号を書く。11×1、47×2…

メニューを家に持ち帰ったところで、全然頭に入らない。

 

慣れるまでに2ヶ月はかかると言われてたので、

焦ることはないらしい。

 

 
料理と番号

そして、料理名と番号を把握したところで、次にやってくるのが、

料理の実物を見て、何番なのかということ。

じっくり見ながら考えているヒマはない。

出来上がった料理を次から次へと出していかなければならない。

伝票を見ながら、次にコレができると予想をして待機する必要がある。

 

 

そもそも、料理を作っているのは、中国の人やアラブ系の人。

彼らはイタリア語を充分に話さない。

だから唯一のコミュニケーションは、番号だけ!(これはイタリア語を使う)

ということになる。数字だけの会話ができる面白い空間になっている。

 

 

午後8時、波が押し寄せる

週末は特に賑わうらしい。

金曜日に初日を迎え、番号を覚えたり、店内の場所を把握したりしていると、

ちょこちょこと客が増え、あっという間に席が埋まった。

 

いざ、試合開始!!

ルーマニアの女の子たちは、テキパキと動きだす。

そこに腰巾着のように、くっついて回る。

飲み物を出す、料理を出す、お皿をさげる、テーブルを片付ける、

新たにテーブルセッティングする・・・の繰り返し。

 

言われるがままに、右へ左へ、上へ下へと止まらない。

伝票がス〜っと消えたところで、落ち着きを取り戻した。

 

 

 

な、な、な、なんとか、間違いなくできた!!

 

 

 

ホッとしたところで、

まかないの細巻きが出て来てみんなで食べた。

ずっと動き回った3時間。

適度に体力を消耗し、脳も活性し、スッキリとした気分だった。

夜11時を過ぎて食べるのには抵抗があり、

このままダイエット気分で控えようかな。

なんて思ったが、一つ、また一つととつまんだ。

 

やっぱり酢飯と生魚は美味しい!!

 

こんなご褒美があるなら、喜んで働こう!とまで思う。

 

 

初日にしてはうまくできたんじゃない!?

っという気分になったが、実は、肝心な接客は一切していない。

注文を取ること、追加料理を尋ねるなど会話をしなかった。

イタリア語を使わなかったことでスムーズにいったといっても良い。

きちんとした丁寧な言葉でおもてなしできるようこちらも勉強しなければ。

これが、一週間後、一ヶ月後にはどうなっているのかお楽しみに!

 

とはいえ、明日からさらにステップアップしていこう!

 

 

イタリアにあるSushi屋の実態!パート始めました

  

私は、人口約16万人のトスカーナの田舎に住んでいる。

5年前にイタリア語学留学にやってきて、3年前に縁あって結婚。

 

家事の合間にちょこっとライターとして働いている。

ところが、先週急遽パートのお仕事をいただき

家から2分のSushi屋で働くこととなった。

 

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この街におけるSushi屋とは

海に面したこの街は、魚介に恵まれた地域で、

生物を食べることに抵抗の少ない場所と言える。

牡蠣、ムール貝、あさり、エビなどといった

貝や甲殻類をレストランでよく食べている。

 

 

街にSushi屋が10軒以上あり、近年増え続けている。

Sushiの人気は年々注目され、新しい文化として、

おしゃれの一つというような位置づけ。

 

 

しかしながら、どのお店も運営しているのは中国の人たちばかり。

また、料理人やホールスタッフはアジア系の外国人が雇われている。

 

そして料理はというと、

握り寿司は、大きめのシャリに薄くスライスした魚が乗っていたり、

太巻きは、カリフォルニアロールはもちろん、海老フライが巻かれたり、

太巻きを天ぷらにしたものなど、寿司というより創作料理が並ぶ。

寿司ではなくSushiは日本人でも美味しいと感じるほど。

 

サイドメニューは豆腐やえだまものほか、中華メニューも豊富で、

焼き飯や鉄板焼きなど炒める技術は高いなと感心する。

 

と、ここまで書くと、

もはや、日本文化とはかけ離れてきているが、

寿司ではなくSushiと表記する感覚だと思ってもらいたい。 

 

 

値段はというと、この街ではリーズナブル。

「一人 2500円食べ放題」という定額制をとっているお店が多く、

この安さが寿司を身近にさせた理由の一つと言える。

 

しかし、日本人が全くいないSushi屋しかないので、

 この街に住むイタリア人や外国人は、半ば諦めのように、

本物のSushiじゃないけれどJAPAN文化を味わいに行こう。

という感じで食べる人がほとんど。

 

 

 

寿司屋でパートを始める理由

 

近所のSushi屋は定額制のとっていないお店ながら

人気店で、いつも客は多く、各サイトの評価も高い。

ここもご多分に漏れず中国出身者が経営しているが、

この街で一番と言えるほど、JAPANテイストがある。

席はテーブル席のほか、掘りごたつ式の個室に分かれいる。

ふすまが使われたり、浮世絵が飾られたり、提灯やのぼりなど、

居酒屋の雰囲気もあり、外国人には喜ばれる空間となっている。

 

 

今回、なぜパートを始めるかというと、たまたまのご縁。

ホールで働いていたオーナーの奥さんが双子を妊娠。

そろそろ産休に入ろうと考えていたところ、

偶然立ち寄った私に声がかかった。

よく行くお店で知り合いだったということもあり、

二つ返事で契約に至った。

(ここ大事。契約を交わさすに仕事をすることが実際にある中で、

しっかりと書類を作ってくれたので安心。お店の体勢が伺えた。)

 

 

2018年2月2日19:00スタート

昨日オーナーさんから、「2日から働けるよ!」と連絡が。

特に持って行く物も、服装も何も言われていないけれど、

身体だけそこにいればいいのかしら。

なんて思いながらあと3時間後に始まるお仕事にドキドキしている。

 

お寿司屋でのパートは2度目。

4年前に働いたときは、まだイタリア語もままならなかったけど、

今回は少しは成長しているから、コミュニケーションとれるはず。

 

一週間に6日間の勤務。

まずは、しっかり基礎を覚えて円滑にお手伝いすることから始めよう!

 

そしてここには、あらゆる発見や出来事を記録していく。

どうぞ気長にお付き合いくださいませ。