21日目 失敗にあざ笑われる
今日は悲しい日。
毎日足を引っ張らないように、
失敗しないように気を使いながら、
念には念を入れて、時間がかかっても
正確に料理を届けることに集中している。
しかし、罠かと思うほど簡単な間違いにハマったりする。
今日は、テーブル番号を10と告げられ
ドルチェを持っていくとすでに女性は食べていて、
すると後ろのテーブルから私の!と言われた。
この一瞬の間に、言われた番号、置かれた状況、
テーブルの様子を振り返りフリーズした。
もちろん考えれば分かることだが、
まだ、慣れていない中、視野を広げて見ることはできていない。
幸いにもお客さんは笑顔で声をかけてくれたからよかった。
まぁ、これは自分の判断ミスと言える。
言葉通り、正確に行動できていない
いつも最後のグループはだらだらとしゃべってなかなか帰らない。
個室にいると心地いいからか長居する傾向にある。
だから、オーナーはWi-Fiを設置しないと意地を張っている。
この意見には同感。
遅くに入ってきて、長々としゃべっている間に、
掃除も翌日の準備も終え、することがなくなった。
すると、一人の同僚が私にこう言った、
「コーヒーのカップを下げてきて。」
長く待たされたことにしびれを切らしていた私は、
テーブルに残っていたビールの瓶やグラスも一緒に下げた。
お水のコップだけあればいいでしょ、、、
すると、
同僚たちが大笑いしながら、「ストップ!ストップ!」と言ってきた。
ここにどんな間違いがあるかわかるだろうか。
日本人である私には、なんの違和感もないことだが、
ここはイタリア。文化が違うことを不意に忘れることがある。
イタリアでは、(他の国は知らないが)
デザートの後にコーヒーを飲む。
そして、お口直しというか、最後の締めに、
食事中に飲んでいたお酒を飲む習慣がある。
ワインやビールで全ての食事を終わらすようだ。
つまり、ビールやワイングラスはさげてはいけないという暗黙のルールがある。
そんなことを忘れていたのと、早く帰ってほしい想いが重なり、
彼らのビールグラスを下げた。
いずれにせよ、わずかばかりのビールしかなかったから、いいよね?という感じ。
確かに同僚は、「コーヒーカップを下げて」と言っていた。
これは、完全に私の間違い。
言い訳すると、私はお酒を飲まないからこの習慣を忘れていた。
イタリアで何度食事をしても、この習慣には未だ違和感を覚えている。
まだ働きだして23日目のこと。
文化の違いを把握しきれず笑われたことが
なんだか悔しくて仕方がない。
言葉もまだ充分でないことから、
かなり下に見下されていることもよく分かる。
外国人がつたない言葉で話をすると、
誰でも同じような感覚になるものだ。
この悔しい思いを挽回するのも自分次第。
もっと周りを見て行動できるようにする。
そして、この経験を踏まえてまた明日から励むのみ!
早く一人前になるんだー!
と思うと同時に、
もっとほかの方法で賢く稼ぐスキルを身につけてやる!と
改めて感じた。
悔しさと賢く挽回したい想いが入り混じる複雑な日。